兵庫県ラグビースクール連盟

スペシャルインタビュー 小林賢太選手 東京サンゴリアス

1999年西宮市生まれ
芦屋ラグビースクール→東福岡高等学校→早稲田大学

Ⓒ東京サンゴリアス

ラグビーとの出会いは、幼稚園年中の学年で、たまたま芦屋ラグビースクールに友達がいたからでした。当時から身体が大きいこともあって、遊びの延長という感覚で楽しんでいました。バスケットボールや水泳にも取り組んでいましたが、直ぐにいやになって止めてしまう中、ラグビーだけは継続できました。やりたいと言えば始め、止めたいと止める、親から強制された事は一度もありませんでした。当時の芦屋ラグビースクールは今の様な大人数ではなく、僕の学年は9名しかいなかったので、当たり前にレギュラーであり体格を生かしたドライビングモールが唯一の武器みたいな、学年でしたので弱小学年だったと思います。毎年の合宿ではチームメイトで隊列をなして10周を走るメニューが最終日にあったのですが、毎年体力的についていけず、コーチに伴走してもらいながら泣きながらゴールインするというのが強烈な思い出です。
しかしながら、ラグビーにおいて心に火を灯してくれたのは、小学校3年生の頃に見た全国高校ラグビー大会の垣永真之介選手の雄姿でした。高校生とは思えない圧倒的なフィジカルで東福岡高等学校を優勝に導いた姿に大きな刺激を受けました。母から「あんなかっこいいお兄ちゃんになるんやでぇ。」この頃から東福岡に行きたいという気持ちが芽生え始めました。また国立競技場で見た早明戦もまたラグビー人生に大きな影響を与えくれました。

芦屋ラグビースクールの中学部は先輩を含めると大所帯となり競争も激しくなります。あの時見た垣永真之介選手の様になるためには、早稲田の赤黒のジャージを着るためには「競争できる環境に身を置く事が自分の成長に繋がる」という気持ちで日々過ごしていた様に思います。
しかし、迷いはなかったのか、と言えば嘘になります。揺れる気持ちに整理をつけてくれたのはまたも母の一言でした。「あんたがやりたい事やりぃ。」
結局、花園や国立競技場、そして東福岡高等学校への進学と、母が強制ではなく自然と僕の気持ちを向けてくれた事が今に繋がっていると思います。

東福岡高等学校のラグビー部員は120名程います。同じ学年で約50名。県外からいわゆるラグビー留学してきたのは4名。前年に同じ芦屋ラグビーから古賀由教先輩(東福岡高等学校→早稲田大学→リコーブラックラムズ)がいたとは言え友達もいない、これまで頼ってきた母もいない。その中で成長するためには、信頼を勝ち得て結果を残すという事に専念しました。同じプロップというライバルの中で自分が優位に立つには、ひたすら地道な努力を続けるしかありませんでした。早稲田大学に進学したいという想いもありましたので、勉強も疎かにせず、ラグビーに夢中で取り組んだ3年間でした。

早稲田大学では、僕の人生に大きな影響を与えてくれた2人が同じラグビー部にいました。現在の東京サンゴリアスのスクラムハーフの齋藤直人先輩と同期の埼玉ワイルドナイツの長田智希選手です。ラグビーに対する姿勢が素晴らしく、常に目標を設定し、そこに対してまっすぐに進む強い心を持っており、尊敬する先輩であり同輩です。当時の早稲田大学は今の様な常勝チームという感じではありませんでしたが、彼らがそういう文化を醸成し、ラグビー部全員の心を一つにするその環境に身を置いた事は本当に幸せでした。齋藤キャプテンが4年生の時に大学日本一になった事も素晴らしい思い出のひとつです。
この成果以上に、4年間で自分自身のラグビーに取り組む基準が上がったのは確かです。僕の強みである「身体の強さ」に加え「スピード」「パスワークのスキル」を磨くことができました。現在所属している東京サンゴリアスのチームカラーがこれにフィットしており、この強みを進化させていく必要があります。なぜなら、いよいよラグビー世界NO.1の決める大会が2027年、オーストラリアで開催されます。僕も必ず日本代表に選出され、最高のパフォーマンスを発揮するため、毎日懸命に努力しています。その努力の先にきっと素晴らしい舞台が待っていること信じています。

さて、そんな僕もいつの日かラグビーシューズを脱ぐ瞬間が来ます。ラグビーが僕を成長させてくれました。だからこそ、いつの日か恩返しができたらと思います。特に、最近は部活動の停止や合同チームではないとメンバーが揃わない等、ラグビーを取り巻く環境も変化しています。
どんなレベルであっても子供たちは純粋にラグビーが上手くなりたい、今日より明日素晴らしいプレーをしてみたいと思っています。 そういった多くの子供たちに寄り添い、ラグビーの魅力を伝えていきたいと思います。
想えば、僕は母、垣永真之介さん、古賀由教先輩、齋藤直人先輩、長田智希君をはじめ多くの人から支えられてここまできました。彼らは人生にとって最も大切な人たちであり、僕に与えてくれた数々の言葉や行動が「ラグビー、そして、人生の基礎」になっています。今度は僕がその役割を担う番です。

これからラグビーを始めようとするチビッ子。またラグビーで悩んでいる子供たち。まずはグラウンドに出て、仲間たちと一緒にラグビーボールを追いかけよう。ラグビーは体格や身長なんて関係ない。どんな個性にも合ったポジションがあり、誰でも参加できるスポーツだから。
そして、きっと一生の友達ができる。それがラグビーの魅力であり、原点だと思います。

弟・洋平(東芝ブレイブルーパス東京)と東大阪市花園ラグビー場にて